「基礎・基本」定着状況調査について
各教科の課題と改善・取組
生活と学習に関する意識・実態
平成19年6月12日に広島県の小学校5年生、中学校2年生全員を対象に「基礎・基本」定着状況調査が行われました。その結果について本校の状況をお知らせします。
1.各教科の平均通過率
国語科、英語科は広島市の平均通過率を上回っていますが、広島県の平均通過率をわずかに下回っています。数学科は広島市の平均通過率を上回っており、広島県と同じ平均通過率となっています。
(上のグラフの通り)
2.各教科の課題と改善・取組
< 国語 >
「聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域については県及び市の平均を上まわりましたが、「言語事項」については課題を残しています。まず、文語における最も基本的な歴史的仮名遣いが理解できていません。古典学習の中で繰り返し音読をすることで確認していきます。次に、文節の働きの中でも、主語・述語の関係がいまだにはっきり理解できていないようです。文法学習の時間だけでなく、長文の学習の時間にも習熟できるように繰り返し指導します。
<数学>
各領域とも県平均と同等で、市平均を上回りました。「数と式」の領域に関しては、引き続きさらに力をつけるために計算練習等を実施します。「図形」の領域に関しては、長さや面積・体積を求める力、「数量関係」の領域に関しては、表・グラフ・式の関係を考察する力をつける必要があります。また、すべての領域で、無解答が各平均よりも上回っていました。問題を解くとき、すぐわかる内容ならば答えるが、時間をかけてじっくり考える問題では簡単にあきらめる傾向があります。日頃から、問題文をじっくり読み、時間をかけて考える機会を増やします。
<英語>
「聞くこと」「読むこと」については、通過率は県平均とほぼ同じでおおむね定着していると思われます。しかし、「書くこと」「話すこと」については、課題を残しています。また、どの領域においても、設問によっては通過率の芳しくない傾向が見られます。単語や連語・英文などを繰り返し読んだり書いたりして、毎日英語に触れる機会を設け、授業では、単元ごとに小テストを行ったり、英語を書いたり話す機会を増やし,内容の徹底を図ります。
○生活習慣:毎日の朝食や普段の就寝・起床の時間などの基本的な生活習慣は80%以上定着しています。しかし、定着できていない生徒も20%近くいるので、日々の規則正しい生活習慣が重要であることを伝えていきます。また、読書については、読んだ本について友達や家族と話していない生徒が60%程度います。朝読書などの取り組みを通して、まわりの人との交流も深めるように工夫していきます。
○人間関係:自分のことをよくわかってくれる友達がいたり、家の人は、自分のことをわかってくれているという生徒が80%以上います。しかし、教師との意志の疎通が十分とはいえない生徒が49%と県及び市と比べ高くなっています。教師と生徒の人間関係が緊密になるように日頃から交流する場面を増やしていきたいと思います。
○自己実現力:将来の夢や目標を持っている生徒は70%以上いますが、その夢や目標がかなうと思っている生徒は58%程度にとどまっています。目標の実現のためには具体的に何をどうすべきか考える機会を多く持たせるようにしたいと思います。
○自己効力感:努力すれば自分もたいていのことはできると思っている生徒が84%、物事を最後までやり遂げてうれしいと思ったことがある生徒は92%、自分にはよいところがあると思っている生徒は71%います。しかし、自分のよさが周りから認められていると思っている生徒は56%程度です。学級活動などで周りから認められるよう、努力した結果についても認め、評価していきたいと思います。
○論理的思考力:物事を解決したり決めたりするとき、なぜそうなるのか理由を考えている生徒が64%います。見たことや考えたことを順序よく伝えることができる生徒は50%と少し低くなっていますが、県及び市とほぼ同じくらいです。順序良く相手に伝えることに関しては、生徒は苦手意識を持っているようです。授業や学級活動の時間に、自分の考えを順序良く相手に伝える機会を増やしていきたいと思います。
○コミュニケーション能力:自分と違う意見も受け入れながら、自分の考えを話すことができる生徒は64%近くいます。困ったときや腹が立ったとき、解決するために自分の気持ちをことばで伝えている生徒は67%います。周りの人の意見を受け入れながら、自分の考えを発表する場面を増やしたいと思います。
○学習動機:学校へ行くのが楽しい生徒は80%います。将来のためや、もっと力や自信をつけたいから勉強したり、苦手な教科でもわかったり、できるようになったりしたいから勉強をしている生徒が60%以上います。さらにわかる授業づくりに努め、意欲的な学習がなされるような環境をつくりたいと思います。
○ことばの教育:授業中、先生の話で大切だと思ったことや必要だと思ったことはノートに書いている生徒が77%います。しかし、授業中、自分の考えや意見を相手に分かりやすいように順序に気をつけながら話している生徒は34%程度と県や市に比べ低くなっています。また、図書館の本や資料などを利用して勉強している生徒は20%未満でした。日頃から総合的な学習の時間などを用いて、本・資料を利用する機会を増やしたいと思います。
○学習習慣:学校で習ったことを普段の生活の中で思い起こしたり、利用したりすることができる生徒、分からないことをそのままにせず努力している生徒は50%以上います。しかし、自分で計画を立てて学習をしている生徒や宿題以外のことを進んで勉強している生徒は35%未満でした。自ら課題を見つけて計画を立てて学習する姿勢を身につけさせたいと思います。
この調査で明らかになった各教科の課題を克服していき、全教科を通して生徒が落ち着いて前向きな姿勢で授業に取り組めるよう、授業づくりに力を入れていきたいと思います。また、生活と学習については、各家庭と協力しながら、さらに生活習慣や学習習慣の確立を目指していきたいと思っています。