「基礎・基本」定着状況調査結果報告(矢野中通信より抜粋)

平成18年6月13日に広島県の小学校5年生、中学校2年生全員を対象に「基礎・基本」定着状況調査が行われました。

その結果について本校の状況をお知らせします。

 














1.各教科の平均通過率

 各教科とも県や市の平均通過率を三教科合計で県より10.4ポイント、市より13.6ポイント上回っています。

(上のグラフの通り)

 

2.各教科の課題と改善・取組

<国語>

  「聞くこと」「書くこと」「読むこと」「言語事項」の4領域とも、県及び市の平均を上まわりましたが、設問によっては通過率の芳しくない傾向がみられます。文節の働きについて、理解と記憶が定着していません。文節の働きは、口語文法の中でも重要な部分なので習熟できるように繰り返し指導します。また、要約する力が弱いために指示語の指し示す内容を十分にとらえることができていません。文章通読後に字数を定めて要約する練習を行う等の指導の工夫をします。

 

<数学>

各領域とも県及び市の平均を上回りました。「数と式」の領域に関しては、さらに力をつけるために計算練習を実施します。「図形」の領域に関しては、長さや面積・体積を求める問題、「数量関係」については関数の表とグラフと式の関係を考察する力をつける必要があります。苦手意識を持ちやすい分野なので時間をとって丁寧に指導をしていきます。それと同時に家庭学習の定着を図る工夫をします。

 

<英語>

  「聞くこと」「読むこと」についての通過率は高く個人差も少ないですが、「書くこと」については課題を残しています。単語や基本形の定着を図るため、宿題は必ず家でやり毎日帳は必ず提出するよう指導を進めます。さらに、英文を書く時、声に出して読みながら書くと力が付きます。授業では、小テストを行い書く力を繰り返し確認していきます。

 

3.生活と学習に関する意識・実態

○生活習慣:毎日の朝食やふだんの就寝・起床の時刻などの基本的な生活習慣は80%以上定着しています。しかし、定着できていない生徒も20%近くいるので、健全な食生活と規則正しい生活習慣が重要であることを伝えていきます。また、読書については、読んだ本について友だちや家族と話していない生徒が67%近くいますが、県及び市平均よりも低い割合です。

○人間関係:自分のことをよくわかってくれる友だちがいたり、家の人は、自分のことを

わかってくれているという生徒が80%以上います。しかし、教師との意思の疎通が十

分とはいえない生徒が49%います。教師と生徒の人間関係が緊密になるように日頃から

触れ合う場面をふやしていきたいと思います。

 

○自己実現力:将来の夢や目標を持っている生徒は70%近くいますが、その夢や目標が

かなうと思っている生徒は53%程度と県及び市と比べ低くなっています。目標の実現

のために具体的に何をどうすべきか考えさせる機会を多く持ちたいと思います。

 

○自己効力感:努力すれば自分もたいていのことはできると思っている生徒が82%近くい

  ます。また、物事を最後までやり遂げてうれしいと思ったことがある生徒も89%近くいます。しかし、自分のよさが周りから認められていると思っている生徒は52%程度です。学級活動などで周りから認められるよう、努力した結果についても認め評価していきたいと思います。

 

○論理的思考力:ものごとを解決したり決めたりするとき、なぜそうなるのか理由を考え

ている生徒が64%います。見たことや考えたことを順序よく伝えることができる生徒は

53%と少し低くなっていますが、県及び市とほぼ同じくらいのポイントです。順序良く

相手に伝えることに関しては、生徒は苦手意識を持っているようです。授業や学級活動

の時間に、自分の思いを順序よく相手に伝える機会をふやしていきたいと思います。

 

○コミュニケーション能力:自分と違う意見も受け入れながら、自分の考えを話すことが

できる生徒は60%近くいます。困ったときや腹が立ったとき、解決するために自分の気

持ちをことばで伝えている生徒は62%います。周りの人の意見を受け入れながら、自分の考えを発表する場面をふやしたいと思います。

 

○学習動機:学校へ行くのが楽しい生徒は76%います。もっと力や自信をつけたいから勉強をしたり、苦手な教科でもわかったり、できるようになったりしたいから勉強をしている生徒が63%います。これは、県及び市よりもポイントが高くなっています。さらにわかる授業づくりに努め、意欲的に学習に取り組める環境をつくりたいと思います。

 

○学習習慣:学校で習ったことをふだんの生活の中で思い起こしたり、利用したりすることができる生徒、自分で計画を立てて学習をしている生徒や宿題以外に進んで勉強している生徒が50%未満でしたが、県及び市と同じポイントになっています。宿題以外でも、自ら課題を見つけて学習する姿勢を身に付けさせたいと思います。

 

 

各教科とも県・市の平均通過率を上回っています。生徒が落ち着いて生活し、授業に臨ん

でいる結果だと思います。引き続き、生徒が落ち着いて前向きに授業に取り組めるよう授業

づくりに力を入れながら、今回明らかになった各教科の課題領域を克服していきたいと思い

ます。生活と学習については、各家庭と協力しながらさらに、生活習慣や学習習慣の確立を

目指していきたいと思っています。